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蓄音機とSP盤


 まさか自分が蓄音機を購入し、SP盤を聴くようになるなど、2002年の前半までは考えてもみませんでした。きっかけは、SP盤をもらったこと、ネットで知り合った方にSP用のカートリッジやポータブル蓄音機を貸していただいたことでした。

 それまでSP時代の録音物は復刻のLPやCDしか聴いたことがなく、当時のSP盤を聴いた感想は半ばカルチャーショックでした。ステレオLP時代以降の新しい録音と比べればFレンジが狭くスクラッチノイズもあり、HI-FIとはいえませんが、復刻盤を聴くのよりずっと鮮度が高く実体感のある音質で、当時の名演奏の良さがよりはっきりわかるのです。



HMV157 マホガニー

     
    サウンドボックスはオリジナルのHMV5Aが付いていて、針は鉄針と竹針を使用しています。

写真は竹針で再生しています。竹針は声や弦楽器が鉄針に比べてしなやかです。1925年以前のらっぱ録音の盤には良いです。

反対に大編成でダイナミックレンジの大きい1930年代後半以降の盤や、なるべく大きい音で聴きたいときには鉄針です。
 



ソ-ン針とソーンシャープナー

ソーン針はサボテンの棘を使った蓄音機用の針で、SP盤を片面かけたら右のソーンシャープナーで先端を削って尖らせて用います。ちょうど、鉛筆削りに似ています。ソーン針はダイナミックレンジの広い戦後盤にも使用できます。鉄針と竹針の中間みたいな感じ。
     

竹針と竹針カッター

竹針は竹を削って作られた蓄音機用の針で、SP盤を片面かけたら右の竹針カッターを使って先端を斜めに切って尖らせて用います。 手持ちの竹針カッターは2種類あります。1つは昔のアポロンという蓄音機メーカーのもの。もう一つは市販のハサミを改造してマニアの方が制作したものです。

竹針は1925年以前のらっぱ吹き込みの盤には良いですが、戦後のダイナミックレンジの大きな盤には適しません。鉄針よりも盤に優しいという話も聞きますが、実際には竹針でも盤は削れますし、同じようにダメージはあります。
     



2002年の後半はSP盤を100枚程度集めました。頂いたものもありますし、ネットなどを利用して購入したものもあります。歌ものが多いのですが、ほとんどが1枚ものです。以下はセットもののアルバム写真です。

バッハ 
無伴奏チェロ組曲2番、3番

   パブロ・カザルスVc
ベートーベン
ピアノ三重奏曲「大公」

コルトー P、ティボーVn、
     カザルスVc
モーツァルト
ヴァイオリン協奏曲4番

 クライスラーVn、
    ロナルドcond.


メルバのビクター片面盤

ガリ・クルチのビクター盤

クライスラーのビクターSP盤

ジェラルディン・ファーラーのビクター片面盤