音楽とオーディオの部屋トップページへ

クライスラーのビクターSP盤

クライスラーは、20世紀初頭の大ヴァイオリニストでした。甘美な音色と表現力にすぐれ、
レパートリーは小品からコンチェルトなどの大曲まで幅広く、また自らが作曲や編曲した
数多くの小品は、現代のクラシックヴァイオリンの重要なレパートリーになっています。ク
ライスラーのビクター録音は、1910年に開始され1946年までのものが残っていますが
一番充実していたのは、1920年代頃までのものだと思います。

Fritz Kreisler(1875〜1962)

sideA
Kreisler         Caprice Viennois
             with  Lamson(piano)
sideB
Dvorak - Kreisler  Humoresque
             with  Lamson(piano)
             Victor 6692

これら2曲とも今日でも多くの人に愛され、演奏されています。A面の「ウィーン奇想曲」は、当初、ウィーンの古民謡を編曲したものとされていたが、後にクライスラー自身のオリジナル曲であることが明らかになっている。「ユモレスク」も良い編曲です。1920年代の電気録音です。
sideA
Massnet      Thais   Meditation
            with  Lamson(piano)
sideB
Kreisler       Tanbourin Chinois
            with  Lamson(piano)
            Victor 6844

マスネのタイス「瞑想曲」とクライスラーのオリジナル「中国の太鼓」。

「中国の太鼓」は、サンフランシスコの中華街での印象をもとに作曲されたと言われていて6回録音しています。これは1920年代の電気録音のものです。
Couperin-Kreisler
        Chanson Louis XIII and Pavane
             with Falkenstein(piano)
                Victor 64292

「クープランのスタイルによるルイ13世の歌とパヴァーヌ」は当初、伝承曲の編曲として発表されたが、のちに使用したのは冒頭の8小節のみで、それ以外はクライスラーのオリジナルであることが、本人から告白されています。この曲は5回スタジオ録音されています。これは、初期の録音で旧吹き込みの片面盤です。
sideA
        The Old Refrain
          (Wiennese Popular Song)
          (Transcribed by Kreisler)
           with Raucheisen(piano)

sideB
Heuberger  The Opera Ball
            Midnight Bells
           with Raucheisen(piano)
             Vidtor 1465

「オールドリフレイン」はブランドル作曲のオペレッタ「愛のアウグスティン」の中の歌です。ホイベルガー(1850 〜1914)の《オペラ舞踏会》から「真夜中の鐘」。当時流行したものもあります。
sideA
Bethoven - Kreisler    Rondino
            with  Lamson(piano)

sideB
Kreisler            Fair Rosemary
            with  Lamson(piano)
            Victor 1386

ベートーベンが若い頃に作曲した小品を用いて編曲した「ロンディーノ」だが、原曲からは相当異なっていて、ほとんど自作といえます。「美しきロスマリン」はワルツ風のクライスラーのオリジナル曲です。
Ethebert Nevin  Mighty Lak`a Rose
            with Farrar(soprano)
                    Victor 88537

これは、アメリカの大ソプラノ、ジェラルディン・ファラーの歌にクライスラーが付けているもの。むしろ、ファラーのSP盤として紹介すべきだったかも知れないです。
Kreisler     Liebesfreud
          with Falkenstein(piano)
                    Victor 74196

自作の中でも非常に有名な「愛の喜び」。クライスラー自身この曲を7回スタジオ録音している。これは旧吹き込み時代の片面盤で初期の録音です。
Kreisler     Caprice Viennois
           with Falkenstein(piano)
                     Victor 74197

「ウィーン奇想曲」。これは8回スタジオ録音している。これは旧吹き込み時代の片面盤で初期の録音です。
Mendelssohn   Violin Concerto in E Minor
   with Blech/the State Opera Orchestra(Berlin)
                 日victor 8080〜3

これは、クライスラーが吹き込んだ大曲のなかの一つ。この他に、ブレッヒ/ベルリン国立歌劇場管弦楽団と録音したものではベートーベンとブラームスのバイオリン協奏曲があり、いずれも不朽の名演です。このメンデルスゾーンの協奏曲は4枚組7面に納められています。頻繁に蓄音機のゼンマイを巻き、約4分ごとに針を変えて別の面をかけるのは非常に面倒ですが、それだけに聞き手は流し聴きが出来ません。





                     ジェラルディン・ファーラーの片面盤