ジェラルディン・ファーラーのビクター片面盤
米国在住のSP盤収集家の方から、ジェラルディン・ファーラーのビクター片面盤を譲って頂きました。
そのうちの特に気に入ったものを載せました。製造されてから一世紀近くが経つので、コンディション
の良くないものもありますが、いずれも蓄音機で鑑賞するのに充分な状態には保たれており、大切
に聴いていこうと思います。
これら片面SP盤はレーベルがおのおの違っていますが、みんな100年近く前の米国盤です。ほとんどの盤が当時3ドルの値段で売られていました。 20世紀の有名なソプラノ歌手で美人というと、戦前ならジェラルディン・ファーラー、戦後ならアンナ・モッフォだろうと思います。ファーラーは、無声映画時代から十数本もの映画に出演したほどの美人映画女優でもありましたので、映画ファンでご存知の方もいらっしゃるかも知れません。 |
Anny Laurie (Douglas-Scott) Victor 88052 これは、1700年ごろに書かれた、良く知られたスコットランド民謡。 本来はオペラの劇的な歌が得意なファーラーだったが、このような歌も上手い。 |
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Anny Laurie (Douglas-Scott) Victor 88052 これは上の盤と同じものだが製造年代が違って、レーベルも違う。いずれも、100年近い年月を経たもの。 |
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Offenbach Contes d’Hoffmann −Barcarolle Farrar & Antonio Scotti Victor 87502 アントニオ・スコッティと歌った「ホフマン物語」から、舟唄 ファーラーの全レコードの中でも有名なものらしい。実際、これはかなり良い歌唱だと思う。 |
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Thomas Mignon Connais tu le pays Victor 88211 これは、トマの「ミニョン」から、君よ知るや南の国。 |
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All Through the Night (Old Welsh Air) (Harold Boulton) Victor 87254 これは、邦題が「夜もすがら」で親しまれているウェールズ民謡で、子守唄みたいな感じのもの。こういったものも、ファーラーは美しく歌っている。 |
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Bizet Carmen Habanera Victor 87210 ファーラーは、「カルメン」のタイトルロールが当たり役の一つだったらしく、残されたこれら三つのカルメンのアリアのSP盤はどれも素晴らしい歌を披露している。 |
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Nevin Mighty Lak' a Rose Farrar &Kreisler(Vn.) Victor 88537 クライスラーとの競演のMIGHTY LIKE A ROSE。この曲は黒人方言を用いた子守歌風の歌曲だが、現代標準英語に直したものはフランク・シナトラなども歌っているので、知っている方は多いだろう。先にバイオリンが一通り旋律を弾き終わってからファーラーのソプラノが始まる。こういったヴァイオリンの助奏を付けたものは、アコースティック録音時代には結構あった。 |
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Puccini Madama Butterfly O quant' occhi fisi Love Duet from Finale, Act 1 farrar&Caruso(tenor) Victor 89017 ファーラーとカルーソーによるプッチーニ「蝶々夫人」の1幕終わりの愛の二重唱。 |
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Bizet Carmen Seguidilla Victor 88511 ファーラーは、無声映画でも「カルメン」に出演したらしいが、もしトーキーであったなら、映画の中でも美声を披露していただろうに。あらえびす氏に言わせると、映画進出は致命的な葬送行であった(オペラ歌手としては)と書いている。1967年まで生きたのに、アコースティック録音時代の歌手として位置づけられているのは、電気録音以降にめぼしい録音が無いから。 |
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Gounod Faust Air des bijoux(Jewel Song) Victor 88147 ファウストからマルグリートのアリア「宝石の歌」。同じ時代のネリー・メルバの歌よりも気品があって私はファーラーの方が良いと思う。 |
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Dvorak Songs My Mother Taught Me (Als die alte Mutter) Victor 88485 「我が母の教えたまいし歌」 優しさと気品のある好い歌唱だと思う。 |
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Puccini Madama Butterfly Un bel di vedremo Act ll, Scene l Victor 88113 プッチーニ「蝶々夫人」の ある晴れた日に〜 この歌唱はあらえびす氏も「名曲決定盤」で絶賛していました。 |
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Bizet Carmen Chanson Boheme(Gypsy Song) Victor 88512 このSP盤録音当時の彼女は容姿端麗で、演技も上手く、その上、歌は超一流だった彼女の生の舞台はさぞや素晴らしいものだったのでしょう。 |
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Puccini Tosca Vissi d'arte e d'amor Act ll Victor 88162 プッチーニ 「トスカ」から、愛に生き、歌に生き〜 これも素晴らしい。ドラマチックな歌唱を魅力的に歌い、嫌味な感じが全くない。 |
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Puccini Boheme Addio!(Farewell!) Victor 88406 何と切なく歌われるのだろう。感情の高ぶるような歌は上手く、変に嫌味になったり鼻に付かないのが、この人の良さだったかも知れません。 |