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ネリー・メルバのビクター片面盤



米国在住のSP盤収集家の方から、ネリー・メルバのビクター片面盤を譲って頂きました。そのう
ちの特に気に入ったものを載せました。どの盤も製造されてから一世紀近くが経つものの、蓄音
機で鑑賞するのに充分な良いコンディションが保たれており、大切に聴いていこうと思います。

Dame Nellie Melba(1861〜1931)

レーベルがおのおの違っていますが、みんな米国盤です。ほとんどの盤が当時3ドルの値段で売られていました。
Puccini    Boheme
          O soave fanciulla
  Duo and Finale, Act 1(Thou Sweetest Maiden)
                 Melba&Caruso(tenor)
                Victor 95200

メルバとカルーソーによるボエームの1幕終わりの愛の二重唱。当時のこのSP盤の価格は米国で5ドル。貨幣価値を考えると恐ろしく高かった。
Verdi    Otello
            Salce, Salce(Willow Song)
                 Victor 88148

オテロからデズデモナの「柳の歌」。レーベル下半分の小さな文字は特許の番号。
Verdi   Traviata   
     Ah, fors` e lui(One of Whom I Dreamed)
                 Victor 88064

どのオペラアリアもそうだが、この時代のものはみんな自由に歌っている。現代のばかり聴いているとちょっと違和感もあるように思います。
Bach-Gounod      Ave Maria
                Melba &Jan Kubelik(Vn.)
                  Victor 89073

ヤン・クーベリックとの競演のアベ・マリア。先にバイオリンが一通り旋律を弾き終わってからメルバのソプラノが始まる。ヤン・クーベリックは指揮者のラファエル・クーベリックの御尊父で、当時の名バイオリニスト。
Dvorak  Songs My Mother Taught Me
              (Als die alte Mutter)
                  Victor 88485

「我が母の教えたまいし歌」いくぶんまったりした感じで心温まる。
Mozart   Nozze Di Figaro
              Voi che sapete
                  Victor 88067

フィガロからのケルビーノのアリアだが、少年の心を歌うには年をとりすぎているという感じは否めないが、メルバの個性で聴かせてしまうところはさすが。
Donizetti    Lucia
         Scena della pazzia(Mad Scene)
                   Victor 88071

ルチアの「狂乱の場」から。電気録音の時代には、後半部分が裏面に入っているのだが、これには無く後ろ髪をひかれるように終わってしまう。後半も聴きたい。
Puccini    Boheme
       Mi chiamano Mimi(My Name is Mimi)
                   Victor 88074

ボエームから「私の名前はミミ」。ちょっとご立派という感じもするが、SP盤で聴くメルバのミミは素晴らしい。
Verdi      Rigoletto
            Caro Nome(Dearest Name)
                  Victor 88078

リゴレットのジルダのアリア「慕わしき御名は」 ルチアもそうだが、ガリ=クルチなんかとくらべて聴くとおもしろい。当時の歌手はみな個性的だ。
Gounod    Faust
            Air des bijoux(Jewel Song)
                   Victor 88066

ファウストからマルグリートのアリア「宝石の歌」。
Tosti   Good−Bye
                   Victor 88065

トスティの「さようなら」。メルバには、他にもトスティの作品を録音している。「ラ・セレナータ」なんかは復刻盤の中に入っているが、まだSP盤では持っていない。
Puccini    Boheme
           Addio!(Farewell!)
                   Victor 88072

何と切なく歌われるのだろう。感情移入が素晴らしい。録音がそれほど良くないので、かえってそんなふうにきこえるのだろうか。


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