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ウエストミンスターを使いだして10数年
が経過しました。ウエストミンスターの前
もクラッシック・モニターというタンノイの
38cm同軸のモデルを使っていました。
ウエストミンスターはタンノイのプレステ
ージ・シリーズの中でも、とても個性的で
難しいポジションにあるモデルだと思いま
す。オートグラフをリファインして、より現
代的に変更されたものですが、古き伝統
は持っています。

低音がホーンロードの部分で遅れる、箱
鳴りで音を作っている、Fレンジが狭い、
良くも悪くもこれらの事実が、使い手側か
ら見て魅力として見えるか、欠点として
見えるかで評価を二分すると思います
が、
私にとっては、現在の所このスピーカー
に変わるものは存在しません。

リスニング・ルームを作りましたが、この
ウエストミンスターを使うことを前提にしま
した。使い手に、そこまでしようと思わせ
る何かがあるスピーカーです。スピーカーの下に敷いてある白っぽい板状のものは
30cmX60cmのラスクボードを2枚重ねにし、片chで計4枚使用しています。

オーディオをやっていまして、原音に忠実な再生という技術的な理想と、ホールよ
りずっと狭い家庭のリスニングルームで、どうやって生らしくあたかも本物のよう
に再生するのかというギャップをどう埋めるのかということは常に問題になります。
私の住む静岡はプラモデルメーカーが多くあり、田宮模型の本社にも自宅から
約10分で行けます。なぜプラモデルの話を持ち出したのかというと、プラモデル
は、きちんと実物を取材したものでも、その寸法に合わせてきちんと縮尺してあ
るわけではないのです。ある部分デフォルメがある、その方がより本物らしくなる。
もちろん、デフォルメは、より本物らしくなる為のデフォルメでなければいけないし、
好き勝手にやって良いというわけじゃないですが。ウエストミンスターは、そういう
スピーカーだと思います。

これは、市販のパッケージソフトCDやLPにもあります。録音の時により生らしく
なるように録ってあるものがほとんどだと思います。
話をダイナミックレンジだけ
に絞っても、生演奏の広大なダイナミックレンジをそのまま録音してパッケージ
にしても、家庭ではそれと同等の再現が物理的に不可能なので上手くコンプレッ
ションしているのです。またコンプレッションの仕方についても、上手い下手が出
るし、色々なアプローチがあるわけです。

再生側でも同じ様なことが言えます。狭い部屋で、大きなホールのようなトーン
を得ようとすると、私個人はやっぱりウエストミンスターみたいなスピーカーに惹
かれます。現在、行きつけのオーディオ・ショップでは、キングダムが非常に良い
状態で鳴っています。Fレンジの伸びや明快さではキングダムが上回りますので、
こちらの方が良いという方も居るでしょうが、やはり自分の求めるものと違うと思
えるのです。



使用10年以上を経過して、ヤクザな改造をしてしまった!

数年前には、壊れるまで使う決心をして、ターミナル、内部配線を順次銀単線に
変更し、ネットワークの基板も銀単線にて裏打ち
しました。ターミナルは10mm径
の4N銀丸棒で削りだしたもの、内部配線は2mm径の5N相当の高純度銀単線
です。基板の裏打ちには0.8mmと1.2mmの5N銀単線を使い、半田付けは和
光の無鉛ハンダを使い、半田鏝も純銀製の鏝先に変更したもので行いました。

この造作後のグレードアップは凄まじく、LPやCD等のソフトを次から次に買いあ
さって聴きまくるという状況が、さらに加速されました。



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TANNOY  WESTMINSTER