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初めてIKEDA 9 EMPLの再生音を聴いたのは、もう10年以上前の事になりますが
非常に鮮烈な思い出として残っています。音の鮮度、緻密さ、細やかさ、力感、全て
において非常に優れたものでした。レコードの溝をダイレクトにかっぽじる感じと、ノイ
ズの出方が、従来のカンチレバーのあるカートリッジと大きく違っていました。

最初は、銅線コイルのものを買いましたが、最初の針交換時に、コイルと出力ピンが
銀に変更になった静岡オーディオラボでしか手に入らないモデル(コイルのみが銀の
ものなら他店でも買える)に買い換えました。

買った当初は、IKEDA純正シェルに付けたままで、当時使用していたエクスクルー
シヴP3
というプレーヤーで使い始めました。ところが、ここで大きな問題に直面し
ました。IKEDA 9 EMPLのマグネットの磁力が非常に強く、フォノモーターのマグネ
ットの磁力の影響を受けて、レコードをかけている途中で針圧が変化してしまうので
す。エクスクルーシヴP3は構造上、フォノモーターがかなり上部にあるため、カート
リッジのマグネットが強力なモデルを使用する場合には注意が必要です。

仕方がないので、アームの高さを一番高jくしたときに丁度良くなるようにプラッターに
厚みのあるものに変更して使用しました。それでも、0.2〜0.3g位針圧が変化して
しまうので、エクスクルーシヴP3IKEDA 9 EMPLを使用するのはNGであるとい
う結論に達しました。IKEDAのカートリッジでもローコストモデルのIKEDA 9Cシリー
ズは、磁力がこれほど強く無いし、使いやすいので大丈夫だろうと思います。

次に使ったのは、MICRO SX777L+SME3012Rでした。これは、とりあえず
IKEDA 9 EMPLをトレースするには問題がありませんでした。この組み合わせで、
アームのベース、ナイフエッジを変更したり、アーム自体に手を加えたりしてDENON
 DP100改+サエクSX8000ST改
を入手するまで数年間使いました。

このカートリッジは使いこなしが難しいです。私の場合、針交換を2回やってやっと使
い方のノウハウを掴んだ感じです。逆に言えば、このカートリッジと心中する位のつも
りで取り組むつもりが無ければ手を出してはいけないカートリッジであること、CDを越
えるスーパーアナログを実現できる可能性を持った素晴らしいカートリッジであること
は確かです。一般的には、IKEDAの純正アームを使用するのでしょうが、サエクのア
ームを改造したものを使用している仲間がいて、ノウハウの交換をしています。


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IKEDA 9 EMPL