私は、中学から大学まで、音楽関係のクラブには在籍しませんでしたが、中学校の
時には、よく合唱部にはひっぱられました。合唱部には男子部員はゼロ。顧問の音
楽の先生が、男子生徒をスカウトして無理矢理練習に参加させ、合唱コンクールの
ための練習をさせたのです。コンクールが近づくと日曜日にも練習があって出席させ
られていました。3年生の時には練習の甲斐があって、NHKの主催するコンクール
の地区大会で優勝し、県大会にまで駒を進めて県都のホールでも歌いました。この
時の音楽の先生が自分のクラシックのLPを持ってきて学校のステレオで聴かせて
くれたのが、出発点ではなかったかと思います。オペラや声楽などを好んで聴くよう
になったのも、こういった経験があったからかも知れません。楽器は何も弾けません。
初めて買ったLPレコードは、ピエール・モントゥーのハイドンの驚愕とショルティウィ
ーンフィルの英雄だったと思います。どちらも¥1500の国内廉価盤でした。
高校に入学した頃からFM放送を良く聴くようになり、エア・チェックなども良くやりまし
た。この頃、アンデス地方の「フォルクローレ」が静かなブームになっていました。理
由は、たぶん、この数年前に大ヒットしたサイモン&ガーファンクルの「コンドルは飛
んでゆく」が大きかったのではと思うのですが、私は、そのオリジナル民族楽器での
演奏を耳にして、これらのLPレコードを買って聴くようになりました。
その頃、キングとポリドールから1〜2ヶ月に1枚位の割合でアンデス地方の「フォル
クローレ」のレコードが出ましたが、ほとんど全部買ったと思います。もちろん、小遣
いが限られてましたから、足りない分はお年玉等もレコードに化けました。ポピュラー
やロック等も聴きましたが、これらは頻繁にFMでエアチェックしたり、友人からレコー
ドを借りることが出来たのでほとんど買いませんでした。つまり超マイナーなレコード
をせっせと買い集めて聴いていたのです。
大学に入って下宿生活が始まると、生活費や食費まで削ってレコードを買ったりオー
ディオにお金を使ったり、クラシックのコンサートに出かけるようになります。それから
後は、こんな状態が継続しているので現在の自分があります。
二十歳を過ぎますと、さらにクラシックに傾倒していきますが、年齢とともに聴く音楽の
傾向が変わっています。20歳代ではマーラーの交響曲が素晴らしく思えて、マーラー
ばかり聴いた時期もありました。30歳を過ぎる頃からだんだんオペラに傾倒するよう
になって、さらにここ数年は、自宅でもオペラ関連のCD、LPを買って聴く比重がます
ます高まってきています。静岡にも小規模なホールがいくつも出来て、最近は室内楽
などはけっこう生が聴けるのですが、オペラは東京まで出ないと良い物は観ることが
出来ないので、たまには東京まで出かけてオペラの生も観ます。40歳代の今でも高
校生の時に買ったもので愛聴しているものがあります。