SACD、DVD、CDの将来は?

                             

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SACDやDVD−AUDIOの現状

2002年の夏、CDプレーヤーを新調しました。それまで8年間使用していたのが調子が悪くなったからですが、その時になぜSACDやDVD−AUDIOのプレーヤーを買わなかったのかというのには明確な理由があります。

このコンテンツを書いている2003年の春の段階でも、これは是非買って聴きたいと思うSACDやDVD−AUDIOのソフトがどれだけ発売されているかということを考えると、非常に心細いものがあります。ソフトが少ない上に、SACDやDVD−AUDIOの、オーディオに興味がない方達の認知度も低いものです。

LPからCDにはとてもスムーズに移行しました。CDが発売されたのは1982年秋ですが、それからわずか5年後にはLPとCDは逆転しています。ところが、一般にはSACDやDVD−AUDIOに移行していくという流れがありません。現状で、静岡のような地方都市の大きなソフト店に行ってみても、SACDやDVD−AUDIOのソフトはなかなか入手できにくい状況です。また、少しメジャーなアイテムであればCDとSACDやDVD−AUDIOが併売されますが、現状では、CDソフトでさえ東京や名古屋の大手量販店や海外通販を利用しなければ入手できないようなCDは、現時点でSACDやDVD−AUDIOで発売されるという見通しも全くあ
りません。

SACDやDVD−AUDIOの再生機器は、既存のCDもかけられるようなマルチプレーヤーですが、同じ程度の価格のCD専用機にはCD再生において音質で太刀打ちできません。

しかしながら、ここ数年のCDソフトの販売不振、CDメディアのコピープロテクトに対しての不備などSACDやDVD−AUDIOの追い風になりそうな状況も出てきています。CDのマスターは、もうすでに24bit/96KHzで録音されているものが多くなっていますし、売れるのであればSACDやDVD−AUDIOへの移行は技術的には何も問題はないはずです。私も市場でSACDやDVD−AUDIOのソフトが豊富に発売され、かつ手軽に買えるような状況になったらその再生機器を手に入れようと思いますが、今はまだ時期尚早だと思っています。



ソフトとハードの連携は?

ソフトとハードの連携というのは非常に大事です。LPからCDへの移行はそれが上手くいきました。SACDやDVD−AUDIOに関しては、フォーマットを決定する段階でメーカーのエゴが出てしまい、ビデオデッキのβとVHSの2本立てと同様な状況が発生してしまったのと同時に、ソフトメーカーの発売意欲もそれほど旺盛だとは思えないのです。

現時点で、SACDやDVD−AUDIO、CDが将来どのようになっていくかはわかりませんが、現状はCDは、すべての音楽ソフトの中で一番身近で入手しやすいフォーマットであることだし、すでに手元には数百枚のストックがあります。まずは、これらをきちんと再生して楽しめるようにすることが私にとっては大事だと思うのです。


先ずソフト、後からハードがついてくる

最後に、民生用のソフトとハード機器に関して、SPの時代から先にソフトが出現し、遅れてハード機器が発達するという歴史があります。CDも発売当初と現時点の音質を比較すれば雲泥の差があります。また、80年代のより90年代のもののほうが音質が良いし、90年代のものより2000年以降のものはさらに優れています。既存のCDのフォーマットのままでも、まだまだ音が良くなる余地は、ソフト、ハード機器両方ともまだまだあると思います。




2022年になってSACDの現況と将来というコンテンツを書きました。そちらも御覧ください。