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IKEDA 9EMPL 光悦 瑪瑙(Onyx)
IKEDA 9EMPL

初めてIKEDA 9EMPLの再生音を聴いたのは、1980年代末の事になりますが非常に鮮烈な思い出として残っています。音の鮮度、緻密さ、細やかさ、力感、全てにおいて非常に優れたものでした。レコードの溝をダイレクトにかっぽじる感じと、ノイズの出方が、従来のカンチレバーのあるカートリッジと大きく違っていました。
最初は、銅線コイルのものを買いましたが、最初の針交換時に、コイルと出力ピンが銀に変更になった静岡オーディオラボでしか手に入らないモデル(コイルのみが銀のものなら他店でも買える)に買い換えました。
買った当初は、IKEDA純正シェルに付けたままで、当時使用していたエクスクルーシヴP3というプレーヤーで使い始めました。ところが、ここで大きな問題に直面しました。IKEDA 9 EMPLのマグネットの磁力が非常に強く、フォノモーターのマグネットの磁力の影響を受けて、レコードをかけている途中で針圧が変化してしまうのです。エクスクルーシヴP3は構造上、フォノモーターがかなり上部にあるため、カートリッジのマグネットが強力なモデルを使用する場合には注意が必要です。
仕方がないので、アームの高さを一番高くしたときに丁度良くなるようにプラッターに厚みのあるものに変更して使用しました。それでも、0.2~0.3g位針圧が変化してしまうので、エクスクルーシヴP3でIKEDA 9 EMPLを使用するのはNGであるという結論に達しました。IKEDAのカートリッジでもローコストモデルのIKEDA 9Cシリーズは、磁力がこれほど強く無いし、使いやすいので大丈夫だろうと思います。
次に使ったのは、MICRO SX777L+SME3012Rでした。これは、とりあえずIKEDA 9EMPLをトレースするには問題がありませんでした。この組み合わせで、アームのベース、ナイフエッジを変更したり、アーム自体に手を加えたりしてDENON DP100+SAEC WE8000ST改 を入手するまで数年間使いました。
IKEDA 9EMPLは使いこなしが難しいです。私の場合、針交換を2回やってやっと使い方のノウハウを掴んだ感じです。逆に言えば、このカートリッジと心中する位のつもりで取り組むつもりが無ければ手を出してはいけないカートリッジであること、CDを越えるスーパーアナログを実現できる可能性を持った素晴らしいカートリッジであることは確かです。一般的には、IKEDAの純正アームを使用するのでしょうが、サエクのアームを改造したものを使用している仲間がいて、ノウハウの交換をしていました。
光悦瑪瑙

IKEDA 9 シリーズのカートリッジの生みの親である池田勇氏が引退され、IKEDA 9EMPLのきちんとしたメンテナンスが出来なくなりました。池田勇氏には何回か直接お会いした事がありましたが、氏が言うのには1年ぐらい間隔でクリーニングやメンテナンスをしてやるから送ってくれと言われ、送り返されたものはひずみ感が無くより鮮烈に聴こえました。現在のIKEDAは昔のカンチレバーレスのモデルのサポートはしてくれないので、それがかなわなくなったのです。
そういったメンテナンスサポートが無くなったために、アナログレコードを聴かなくなった知人から頂いた光悦瑪瑙を使いだしました。カンチレバーのある普通のカートリッジでカンチレバーの無いIKEDAのような独特の鮮烈な音質ではないですが、情報量が多く特に低域は独特の再現性を持っていてワイドレンジ高分解能です。様々なレコードに柔軟に対応するという意味では光悦の方が使いやすくて良いです。
今は光悦瑪瑙がDENON DP100+SAEC WE8000ST改での汎用カートリッジになっていて、IKEDA 9EMPLはほとんど使わなくなりました。初代の方が制作した古いモデルで2020年に針交換しました。針交換は2代目の方にやってもらい現在もこれを使っています。
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