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 ダイ・ユーキャンさんのデビューCD




 YU QIANG DAI/テナー・オペラ・アリア集

プッチーニ:
  「マノン・レスコー」 なんとすばらしい美人
  「トスカ」 星は光りぬ/妙なる調和
  「トゥーランドット」 誰も寝てはならぬ/泣くな、リュー
  「ボエーム」 冷たい手を
マスネ:
  「ウェルテル」 春風よ、なぜわれを目覚ますのか
ヴェルディ:
  「リゴレット」 女心のうた
  「ルイザ・ミラー」 夜が静まったとき
 ドニゼッティ:
  「愛の妙薬」 人知れぬ涙
 ポンキエッリ:
  「ジョコンダ」 空と海
 マスカーニ:
  「カヴァレリア・ルスティカーナ」 お母さん、あの酒は強いね 

     EMI 7243 5 57791 2  国内盤TOCE-55690




ダイ・ユーキャンというテノール歌手を知っている人は、まだそう多くないと思いますが、中国出身で、漢字ではこのように戴玉強(強の字の右上のムはロ)と書きます。デビューCDが発売されたことを知り、真っ先に買いました。実はダイさんの歌を生のコンサートで聴いたことがあります。

ダイさんは、1996年秋に静岡県浜松市にあるアクトシティで行われた第一回国際オペラコンクールin SHIZUOKAで、ソプラノの大岩千穂さんとともに最高位入賞者でした。このコンクールは、37の国・地域から300人を超える応募があり、テープ審査の後84人が一次予選に進み、6人がオーケストラ伴奏の本選で歌いました。このコンクールの翌年の8月、静岡市民文化会館大ホールにて、第一回国際オペラコンクールin SHIZUOKA入賞者記念演奏会があり、このCDに入っているいくつかの歌も歌われました。


          


このコンサートは、ダイ・ユーキャンさんと大岩千穂さん(ソプラノ)、大野和士さんの指揮、オケは東京フィルハーモニーで、ダイさんと大岩さんの熱演にひっぱられるように、オーケストラも素晴らしく、私が地元で聴いたコンサートの中でも、いつまでも記憶に残るような素晴らしいものだったのです。ダイさんの声には美しい輝きがあり、ドラマチックな役柄からリリックなものまで素晴らしい歌を披露してくれました。大岩千穂さんも素晴らしかった。大岩さんは、その後、国内外の様々なオペラに出演され、平成10年度五島記念文化賞オペラ新人賞を受賞されるなど活躍されています。現在はイタリアに在住し、ドイツ・オーストリアや北欧、ハンガリーの歌劇場を舞台に演奏活動をされています。上は、そのときのパンフレットと、プログラムのプロフィール(サイン付きです)。サインを貰いに行ったとき、ダイさんは壁に貼られていた演奏会の大きなポスターを貰って、大切に丸めてしまいこんでいました。おそらく、そのポスターは彼の大切な宝物になっているでしょう。


2004年7月10日には、コヴェント・ガーデン王立歌劇場において《トスカ》のカヴァラドッシ役を歌いヨーロッパ・デビューを果たしました。このCDはこれに合わせて発売されたものです。2005年2月には同歌劇場に再登場して《トゥーランドット》のカラフを歌い、6月には《ボエーム》のロドルフォを歌って、これまた私の大好きなソプラノ、アンジェラ・ゲオルギューの相手役を務める予定だとか。このデビューCDを聴いてもダイさんの美しく輝く声は健在で、ペーター・ドヴォルスキーや古くはユッシ・ビョールリンクのような歌手になってもらいたいと思います。これからの益々の活躍を期待します。




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