不満のある復刻CD 

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LPがCDにとってかわられて20年近くになります。昔LPで発売されていたものの多くがCDでも復刻発売されています。しかし、中にはおかしな復刻だと思われるものがあったりします。個人的に、残念だと思われるものを2つばかりご紹介します。収録時間の関係で、オリジナルの一部がカットされて、魅力が半減してしまっているものは他にも結構あります。




マスカーニ カヴァレリア・ルスティカーナ 
エレーデ指揮/フィレンツェ5月音楽祭管弦楽団
ビヨルリンク、テバルディ、バスティアニーニ他
  

1957年録音
復刻CDは余白のオペラアリア集がカットされ、音質も良くない(;Θ;)
このLPレコードは1976年のイタリア歌劇団がカヴァレリア・ルスティカーナを演目の一つとして来日、記念として再発売されたもので、輸入メタル原盤が使用されていない国内でカッティング製造されたものですが、音質はすこぶる良く快適に聴けます。2枚組4面のうち1〜3面はカヴァレリア・ルスティカーナが入っており、第4面にはビヨルリンクのオペラ・アリア・リサイタルが入っていますが、これが実に素晴らしい。実は、第4面ばかり聴いています。

 第4面
1)ポンキエルリ 「ジョコンダ」〜空と海(第2幕)
2)プッチーニ 「西部の娘」〜やがて来る自由の日(第3幕)
3)ジョルダーノ 「フェドーラ」〜愛さずにはいられぬこの思い(第2幕)
4)チレア 「アルルの女」〜フェデリコの嘆き(第2幕)
5)ヴェルディ 「仮面舞踏会」〜今度の航海は無事だろうか(第1幕)
6)プッチーニ 「マノン・レスコー」〜美しい人たちの中に(第1幕)
LP:日LONDON(キング) SLA7004/5
CD1枚の中に、カヴァレリア・ルスティカーナが入っています。テバルディ、ビョルリンク、バスティアニーニという名歌手を揃えた名盤です。当時、優れた歌手を揃えてオペラを録音していたEMIに対して、ライバルであるデッカや米RCAは単独では太刀打ちが出来ないのでRCAとデッカの連合部隊でオペラを録音したのですが、これはその1枚です。LPの初出盤はRCAから出ました。

1枚の盤ですから当然ながら上記のビヨルリンクのオペラアリア集が省略されています。上記のLPのこの部分はビヨルリンクの晩年の素晴らしい貴重な記録で、それだけでも価値があるもので、実際LPは第4面がすり切れてしまったので中古LP盤を買い直したのです。この部分は別にCDで復刻されているのでしょうか?ご存じの方はお教え下さい。

このCDは音質も良くないです。DECCAはレジェンドシリーズのものの中に素晴らしい音質ものがあるだけに残念です。
CD:DECCA 425 985-2
(輸入盤)




レハール メリー・ウィドウ 
アッカーマン指揮/フィルハーモニア管弦楽団
シュワルツコップ、ローゼ、クンツ他
1953年録音
CDには、序曲の部分にあったメリーウィドウ・ワルツがカットされてしまっている。(;Θ;)
下記のCDを先に買って聴いていたのですが、格安で手に入れたこのLP盤(50年代に製造された初期盤です)を聴いてびっくり。序曲が長く、CDでは聴けなかったメリーウィドウワルツが入っていたのです。この部分は、CDしか聴く事が出来ない環境の方は絶対聴くことができません。CDには、この部分をカットしたという説明も無いんです。



オリジナル盤の方が音が良いのはしようがないにしても、CD1枚の中に納めるためにカットしちゃったのかなあ?この録音は、数あるメリーウィドウの中でもアッカーマンの品の良い音楽作りもあって、未だに第一級の魅力を備えているものなのに。



ちなみに同じシュワルツコップがハンナを歌ったマタチッチ盤(こちらで紹介済み)のものとは、本当に音楽のリズム感が全く異なります。ダニロはマタチッチ盤のヴェヒターよりクンツの方が役柄にぴったりのような気がします。シュワルツコップは、声が若く歌が軽くきこえます。
英COLOMBIA
33CX1051/2
EMI
CDH 7 69520 2