セシウム・クロックの試聴記

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先日、セシウム・クロックを使用してのCD再生を経験した。驚くべき高品位な音で、このレベルになると全く普通のSACDやDVD-Aの再生音を寄せ付けない。

セシウム・クロックは、ルビジウム・クロックよりもさらに1/1000以下の誤差しか出ない高精度を誇る。使用したものは、DATUMという業務用のもので、コンシュマー向けには発売されていない。

トランスポート: エソテリック P0s - VUK
DAコンバーター:WEISS MEDEA
クロック: エソテリック G0s+DATUM
プリアンプ    : VIOLA SPIRITO Reference Preamplifier
パワー      : VIOLA BRAVO Stereo Power Amplifier
スピーカー   : ATC SCM150sLII
ケーブル類は全て5N相当の銀単線を使用したショップオリジナルケーブル DATUMは、エソテリック G0sまたはG0を介さないと P0s - VUK、WEISS MEDEAとクロックの同期をとることが出来ないので、今回はG0sを使ったがG0sのルビジウム・クロックは、働いていない。


驚いたのは、ローレベルの分解能が非常に素晴らしいことだ。音場情報の見通しが素晴らしい。非常にきめが細かい緻密な音である。LPレコードのダイナミックレンジが最大60dBなのに対し、CDは数値上は90dB以上ある。しかし、実際には、ごく普通のCD再生では、ローレベルの部分はアナログLPが一枚も二枚も上手な場合でかなわない場合がある。しかし、セシウム・クロックを使って同期させた場合には、完全にローレベルがクリアーに再生される感じでカタログ数値そのものの音がする印象だ。この経験でクロック精度を上げることは、デジタル再生にはとても大事なんだなと感じた。G0sのルビジウム・クロックに戻すと、この状態でもかなり高レベルな再生音だがローレベルのクリアネスが明らかに減退する。とても印象に残った試聴だった。



セシウム・クロックの威力をまざまざと体験してしまったので、知人がセシウム・クロックを使用してマスタリングしたCDが発売されていることを教えてくれたので、早速買って聴いてみた。

     アリア 佐藤美枝子 VICC-60295 

曲目が大好きなイタリア・ベルカントオペラのアリアが中心だったので、迷わず購入。価格は¥3675で、ルビジウム・クロックを使用した通常盤より¥500高い。通常盤と比較したわけではないので何とも言えないが、このCDそのものの音質は素晴らしく、ホールの残響や細かい音の余韻までかなり克明に聴こえる。佐藤美枝子さんはチャイコフスキーコンクールで一位になった方。